Ｍ．Ｙ． 様
２００９年２月２２日
前略
中略
「種の分化」（種分化）に関する論文集や２論文の再録もご参考までに同封いたします．
特に１９８４年の発想と印刷による第３論文と，それを解説した第４論文が柱ですが，チョウ類の近縁種関係，薬剤抵抗性の遺伝子ＤＮＡと酵素との関係，フェロモンの化学と生理活性に関する知見，生態学（特に個体数と競争関係），のすべてを理解しないと書けない論文ですので，自分の経歴に丁度合致したものです．
少なくとも，それぞれのパートについては，それぞれの専門家にご理解頂けるものと思います．このような分子遺伝学の物質的基礎に立つと，数式も不要で，文章だけでも結構わかりやすいものとなりました．
要するに，いろいろな形質が淘汰（選択）により変化して新しい種ができるという従来（少なくとも１９８４年以前）の考え方とは逆で，見分けのつかない新しい種ができ，後からいろいろな形質が変化して見分けがつくようになるという，逆転の発想です．
辻 英明
環境生物研究会